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マゴットセラピーという奇跡の治療方法 壊死した細胞が完治した事例
マゴットセラピーと呼ばれている奇跡の治療方法について、以下にまとめてみました。
【マゴットセラピーとは?】
「マゴットセラピー」は、糖尿病の合併症や閉塞性動脈硬化症などで、壊死してしまった傷口部分に無菌で育てたハエの幼虫(ウジ虫)を這わせ、そのハエの幼虫に傷口の壊死した部分だけを食べさせて治療するという、画期的な治療方法です。「マゴット」は、ハエの幼虫を意味し、「セラピー」は、治療を意味しています。マゴットセラピーの凄いところは、細胞が壊死してしまい、足の指や下肢の一部などを切断しなくてはならないような大変な状態になったときでも、壊死状態を綺麗に治し、大半の患者さんは、切断を免れることができるからです。あきらめるしかないような壊疽状態でも治ることから、マゴットセラピーは、奇跡の治療方法とも呼ばれています。
【マゴットセラピーの仕組み】
壊死している部分にハエの幼虫を這わせるのは抵抗があると思いますが、マゴットセラピーで使用するハエの幼虫は、無菌で育てた幼虫のため、とても綺麗で安心です。ハエの幼虫は、動物の腐った細胞(壊死した細胞)だけを好んで食べる性質があります。マゴットセラピーは、この性質を利用した治療方法です。まず、ハエの幼虫に壊死した細胞を食べさせ、ハエの幼虫が成虫になる前に新しいハエの幼虫と取り替えます。一定期間、この流れを繰り返すと、壊死した傷口は綺麗に治ります。
【マゴットセラピーで治せる種類】
マゴットセラピーで治せる症状にはいくつかの種類があります。
- 糖尿病性壊疽(えそ)
- 糖尿病による手や足の壊疽(えそ)/壊死(えし)
- 閉塞性動脈硬化症による壊疽(えそ)/壊死(えし)
- 潰瘍による壊疽(えそ)/壊死(えし)
- がん性潰瘍
- 静脈潰瘍
- 褥瘡(じょくそう。いわゆる「床ずれ」のことです。)
- 難治性創傷(難治性の傷)
- 重度の炎症(ヤケドなど)
【マゴットセラピーの副作用について】
マゴットセラピーは副作用がほとんどありません。マゴットセラピーで使用するハエの幼虫は、無菌で育てたものですので、感染症などの心配もほとんどありません。基本的に治療のときは麻酔も必要がありませんが、患者さんによっては、麻酔を使用することもあります。ごくわずかな割合で患者さんにみられるマゴットセラピーの副作用としては、疼痛、患部からの出血、発熱、患部からの臭気、高アンモニア血症、感染症、炎症による患部の悪化、…などです。ただ、これらの副作用は、本当にごくわずかな割合の患者さんにしか現れません。マゴットセラピーは、これまで重大な副作用は報告されていません。
【マゴットセラピーの別名】
マゴットセラピーは、ウジムシ治療(MDT : Maggot Debridement Therapy)のことですが、以下のような別名もあります。
- 生物的デブリードメン(BD : Biological Debridement)
【マゴットセラピーの治療費】
マゴットセラピーの治療費は、患者さんの患部の状態により、変わってきます。治療費のおよその目安ですが、程度の軽いものですと、数万円~10万円以下、程度が中度以上ですと、15万円~40万円程度です。日本国内では、マゴットセラピーの治療については、まだ保険が認可されていません。そのため、治療は自由診療となり、マゴットセラピーでの治療費は全額自費となります。
【マゴットセラピーの治療期間】
マゴットセラピーの治療期間も、患者さんの患部の状態により、変わってきます。治療期間のおよその目安ですが、程度の軽いものですと、1週間~2週間程度、程度が中度以上ですと、2週間~4週間程度で治療は終わります。
【マゴットセラピーに関する記事】
マゴットセラピーに関する記事を紹介します。
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