末期ガンの白血病患者さんが完治した事例をいろいろと調べていたのですが、
もしかしたら、今後、ほとんどの癌に対して効果的な治療になるかも知れない
新しい治療方法の存在を知りました。これはまだ、2011年08月11日(木)に、
ニュースとして報道された段階ですので、実用化されるのはもう少し先かも知れません。
まずは、その新しい治療方法で末期ガンの白血病が完治した実例を紹介します。
【T細胞に改変操作を行う】
アメリカにあるペンシルベニア大学の研究チームが、ガン患者さんから採取した
T細胞と呼ばれているリンパ球の一種に遺伝子操作を施し、CD19たんぱく質を
発現させている全ての細胞に対して攻撃するように改変操作を行いました。
(ガン細胞もCD19たんぱく質に含まれます。) また、他のT細胞とガン細胞が
結合した瞬間に、T細胞自身の増殖を促すようにも改変操作を行いました。
T細胞自身を増殖するようにしたのは、ガン細胞を早期に死滅させるためです。
【改変操作を行ったT細胞で驚きの治療効果が!】
ペンシルベニア大学の研究チームは、まず、3人の慢性リンパ球性白血病患者に、
改変されたT細胞を使う治療方法を本人同意の元、試してみました。
1人目は、64歳の男性です。この男性は、約3kg分ものガン細胞が、
血液と骨髄にありました。改変したT細胞を使った治療を行った後、
約2週間は体に何も変化は現れませんでしたが、その後に、吐き気、高熱、
悪寒などの症状が出ました。この患者さんの身体を検査をしてみると、
改変したT細胞が数が急増していました。吐き気、高熱、悪寒などの症状が
出ていたのは、ガン細胞が死滅したときにみられる、腫瘍崩壊症候群が
起きていたためと分かりました。つまり、改変したT細胞により、ガンの腫瘍が
崩壊したということです! この改変T細胞治療を行った患者さんは、
治療の開始から28日目までにガン細胞が死滅しました。
そして、1年後の検査でも、ガン細胞は検出されなかったとのことです。
2人目の患者さんは、65歳の男性でした。この2人目の改変T細胞治療を行った
患者さんも、1人目の改変T細胞治療を行った患者さんと全く同様の結果がでました。
3人目の患者さんは、77歳男性です。この3人目の患者さんも改変T細胞治療を
行ったところ、腫瘍崩壊症候群の治療のためにステロイドを処方された後に、
わずかにですが、ガンが再発してしまいました。ですが、再発したガン細胞の量は、
改変T細胞治療を行う前と比べ、はるかに少ない状態が続きました。
この3人の治療結果ですが、改変したT細胞は、1個あたり、平均して数千個の
ガン細胞を死滅させていました。今後、今回の改変T細胞治療を小児の患者2人と
CD19陽性の成人患者の少なくとも13人に試す予定とのことです。
現在の白血病の主な治療方法は骨髄移植ですが、骨髄移植の場合、死亡リスクが
少なくても20%あります。また、骨髄移植の治癒率は、50%程度です。
今回の改変T細胞治療は、ガンの再発をどのくらいの期間、抑えていられるのかは、
まだ詳しくは分かってはいませんが、少なくても、改変T細胞治療での治療後、
1年間は、改変T細胞で身体が防御態勢を維持していることに、研究者は驚きと
興奮を覚えています。今後、この治療方法を、急性リンパ性白血病、中皮腫、
非ホジキンリンパ腫、膵臓がん、卵巣がん、…などに有効かどうかも調べる
とのことです。この改変T細胞治療方法(遺伝子導入治療方法)は、
近い将来、癌患者さんにとって、希望の光となるのかも知れません。
関連サイト:
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