臨床試験(りんしょうしけん)とは、新しい薬の効果や有効性、そして、安全性などを
確かめたり、新しい治療方法の効果や有効性を確かめるために患者さんに協力して
もうらう試験のことです。とりわけ、国から新薬としての承認を受けるための臨床試験は、
治験(治療試験)と呼ばれています。現在、日本で承認されている薬は、全て治験を受け、
国から治療薬として承認を得たものです。
【臨床試験(治験)を受けるための条件は?】
癌が進行し、現在の医療技術では治療が困難な状態になってしまった場合でも、
癌を治すために、希望と可能性を求めて、開発中の癌の新薬や研究段階の癌の
新しい治療方法など、癌の最新治療の臨床試験を受けたいと思っている患者さんは、
多いかと思います。結論から言うと、臨床試験の募集条件(年齢、性別、体力、
過去の治療状況、現在の癌の進行状況…などなど)と臨床試験を受けたい患者さんの
状態が一致すれば、臨床試験(治験)を受けることができます。
逆に、募集条件に一致していない場合は、臨床試験を受けたくても
受けることはできません。また、もし、臨床試験の募集条件に一致していても、
現在治療を受けている病院が臨床試験(治験)の対象となっている施設でなければ、
臨床試験(治験)を受けることはできません。もし、募集条件に一致しているが、
臨床試験(治験)の対象施設ではなかった場合は、担当医師に臨床試験(治験)の
対象施設を紹介してもらい、その病院から対象施設の病院に転院すれば、
臨床試験を受けることができます。
【実際に臨床試験(治験)を受けるためにはどうしたらよいのか?】
臨床試験を実際に受けるには、まず、担当の医師に自分は臨床試験を
受けることができるのかどうか、聞いてみたり、厚生労働省やその他の医療機関が、
インターネット上のホームページで、臨床試験(治験)の募集などを行っていますので、
そちらで臨床試験(治験)の募集条件などを調べて問い合わせてみるのが良いでしょう。
具体的に、臨床試験(治験)の募集や内容、臨床試験を行う期間などの
情報を入手できるホームページは、以下のホームページです。
臨床試験(治験)に関する情報サイト:
- 厚生労働省の「治験」ホームページ
- 日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG : Japan Clinical Oncology Group)
- 財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)
- 社団法人日本医師会 治験促進センター(JMACCT)
- 大学病院医療情報ネットワーク(UMIN : University Hospital Medical Information Network)
【臨床試験(治験)を受ける前の注意点】
臨床試験(治験)で使われる新薬や、臨床試験(治験)で行われる検査費用などは、
医療機関や製薬メーカーが、その費用を負担してくれる場合がほとんどですが、
全てを負担してくれない場合もありますので、費用が発生する場合が
あるのかどうかなどを事前に確認しておきましょう。また、疑問に思ったことは、
臨床試験(治験)に入る前に全て聞いておきましょう。
関連サイト:
- 癌の治療費や手術費が用意できない場合(お金がない場合)はどうすればいいのか?
- 治療費や手術費の支払いにローンは組めるのか?(ローンを使えるのか?)
- 治療費や手術費の支払いで生活が苦しい場合、生活保護は受けられるのか?
- 高額医療費制度とはどんな制度なのか?
- がん保険に加入後、すぐに癌と診断されてしまった場合は保険金(給付金)を貰えるのか?