脳に電流を流す電気けいれん療法という治療法があります。これは、うつ病
などの治療のための療法でした。しかし、金沢医科大学の研究チームがマウス
を使用した実験から、この電気けいれん療法を使うことでアルツハイマー病を
引き起こす原因タンパク質の働きを抑制できることを発見しました。
アルツハイマー病の場合、アルツハイマー病患者の脳内では、「アミロイドβ」
(略称は、「Aβ」)という神経細胞の機能を低下させている原因タンパク質の
濃度が高くなっています。金沢医科大学の研究チームは、アルツハイマー病の
マウスと使い、そのマウスの脳内で情報伝達を行っている電気信号を調べました。
すると、アミロイドβを過剰に生み出しているアルツハイマー病のマウスは、
アルツハイマー病にかかっていない正常なマウスに比べて、情報伝達を行っている
電気信号の継続時間が、約1.5倍の長さになっていることを発見しました。
この電気信号の継続時間が長いと、脳内に送られるカルシウム量が過剰に増え、
脳の神経細胞に悪影響を与え、アルツハイマー病の一因になると考えられています。
このアルツハイマー病のマウスに、鬱病などの治療で行われている電気けいれん
療法と同じように電流を流してみたところ、電気信号の継続時間が正常なマウスと
同じ長さに戻りました。今回の研究成果は、8月3日付の米国の科学雑誌である
「ジャーナル オブ ニューロサイエンス」で発表されました。
【医療ニュース報道があった日付】
2011年8月3日(水)
【医療ニュース記事リンク】
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110803-OYT1T00504.htm
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